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森口教授による手賀沼の放射性物質汚染の問題

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我孫子市放射能対策特別委員会が企画した
東京大学大学院の森口祐一教授による
「原発事故による放射性物質汚染の推移と除染・環境回復ーその概況と手賀沼などの河川・湖沼の問題ー」の講演を聞きました。
前半は3.11後の放射性物質の拡散の様子を
スピーディーだけではなく、
スピーディーに関わった専門家の意見を交えて、
今分かっている最前線の情報を教えて頂きました。
次に放射性物質の環境中での分布・移動・移動・被ばく経路について説明があり、
原発から大気、河川、草木、土壌から食品へ、
そして焼却灰や海洋に至る道筋等、図を用いて説明頂き参考になりました。
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空間には放射性物質は浮かんでいる訳ではなく、
土壌に付着しており、新しく放射性物質が降ってきている状況ではないということでした。
面積当たりのセシウム沈着量については、
我孫子市、柏市などの汚染状況重点調査地域では、
10万Bq/㎡あり、空間線量に直すと約0.375μシーベルトに相当するということ。
都市濃縮では柏市の側溝破損箇所での57.5μシーベルトの空間線量が出た仕組みについて
クローズアップ現代の取材について(私も観ましたが)
濃縮する理由についても説明してもらいました。
広い屋根や道路など人工物に降った雨の通り道に土砂等があると溜まりやすいそうです。
最後に手賀沼・流入河川の放射性物質汚染の推移について説明を受けました。
千葉県による底泥中の深度別Cs濃度調査地点の結果の図から、
大堀川河口では明らかな減少が見られ、
根戸下では前回4-6センチが一番値が高かったのが、
12-14センチの場所に移り、
深く沈んできているのが分かるとのことでした。
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森口先生曰く、
国の考え方としては、
「人の健康の保護観点から必要である地域については優先的に‥除染実施計画を策定‥」するが、河川・湖沼については水による遮蔽によって生活環境への線量の影響が及び難いため、
除染はごく限定的にしか適用されないとのことでした。
手賀沼については、底土を浚渫すると水が撹拌されるという問題があり、
放射性物質が拡散してしまうので、やるとしたら部分浚渫、
また、砂で覆ってしまうという土木作業もある。
しかし、これについては国の補助は出ない方向にあるということでした。
私は手賀沼の放射性物質の流れについて官と学の協同研究を提案しましたが、
千葉県や柏市も含めて、国での連携がなければ考えてみるという回答を頂きました。
どちらにしろ、手賀沼の放射性物質の問題は、
我孫子市とってなかなか解決できない長い課題になりそうです。[バッド(下向き矢印)]